心の輪郭と空の青


どんどん空を見上げて伸びていくあなたは
空の青と私の寂しさを
いっしょくたにしてしまう

空の青は希望の青だとあなたは云う
そして希望に向かってどんどん伸びていくのだ
私の青々とした葉も同じ青だが
今はそうは思わない

私の一抹の寂しさを枝に絡めとり
伸びていくさま
それもそのうち明るい太陽に照らされて
透ける葉脈に光を受ける姿には
眩しさと春の青くささが同居する

春が来て全てが百花繚乱でも
私たちは孤独ではない
太陽に照らされ咲くとは限らず
春が来ても尚芽吹かない生命もある
風に吹かれるあなたの枝が触れるたび
揺られながらあなたの優しさを思う

私も心のかたちを探しあぐねている
ひとつの花
空に伸びるか枝を茂らすのか
花を咲かせるのか
それとも花を諦めるのか

花に心があるものかと一笑する者がいる
しかし私は心のかたちがわからない
かたちが無ければ感じないのだ
或いはハートが無いのかもしれない

あなたに触れる時にだけ
心はかたちを帯び
情動を揺さぶられ息を吹き返す
ただの花

あなたを探し
愛を探しかたちを探し心を探す
虚無のいのちの旅

Macaron Works

Macaron Works 写真詩の世界へようこそ。 言葉をつむぎ、夢を織り、心を奏でる。 Macaron Worksの世界をお楽しみください。

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